担任は優しい旦那様
皆を連れてマンションへ。

駐車場にはマー君の
車が停まっていた。

それだけ確認し、
エレベーターに乗り
部屋の前まで来て
鍵を開けた。

『マー君、ただいま』

リビングに
居るであろうマー君に
声を掛けた。

案の定、玄関まで来た。

『お帰り、
そして、皆さんは
いらっしゃい』

「お邪魔します」

皆を代表して
左京先生が言った。

『どうぞ
上がってください』

来客ようのスリッパを
人数分出した。

案内はマー君に任せて
私はキッチンで
お茶の用意をする。

左京先生だけ
好みが分からないから
緑茶にしといた。

『マー君、
悪いんだけど
運ぶの手伝って』

リビングに
居るであろう
マー君を呼ぶ。

『はいはい』

炬燵から立って
キッチンに来た。

二人で七人分の
お茶を持って
リビングへ戻った。

『お待たせ』

皆の前にカップを置いた。

『それで、華蓮
彼を連れてきた理由は?』

『実はね、彼
うちの学校の先生なの』

それだけ言えば
マー君に伝わったはずだ。

『成る程、
何となく分かった』

やっぱりね。

そして、今までの
経緯を話した。

それを聴いたマー君は
私と同じことを
思ったらしく、一言
俺たちみたいと呟いた。

「華蓮の旦那さん」

少しの沈黙の後
口を開いたのは恋だった。

『何かな?』

私の隣に座ってた
マー君はやんわりと
優しく聞き返した。

「何で華蓮と
付き合おうと
思ったんですか?」

そう言われればそうだ。

私が告白したのは
まだ一年の時だったし、
断っても何の支障も
なかったはず。

『確かに、あの時は
華蓮もまだ一年だったし
断ることも出来たけど
俺が惚れたから
付き合うことにしたんだ』

そんなこと
初めて知った……

『告白された時は
まだ華蓮のことなんて
殆ど知らなかったけど
付き合っていけば
知れると思ったんだ』

へぇ〜
そんなふうに
思ってたんだ。

マー君と左京先生が
煙草を吸いに行った瞬間を
逃さず、恋が
ニヤニヤしながら私を小突いた。

「華蓮、愛されてるね」

さっきの言葉を
思い出して
顔が暑くなった。
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