担任は優しい旦那様
修学旅行の
バスみたいだと思った。

マー君の車には
私と理香と陽菜子が、
左京先生の車には
恋と琴羽が乗った。

そして、いざ京都へと
出発したのだった。

旅館の部屋は
三部屋取り、
私たち女と
マー君たち男と
部屋を分けた。

着いた今日は
疲れたから観光は
明日からにした。

温泉に入り、
夕飯を食べ
皆でのんびりする。

家とは違った
のんびりが出来て嬉しい。

家族にお土産を
買って行かなきゃね。

旅行なんて
何時ぶりだろう……

寝る時間になり
何時もなら
一緒に寝るマー君は
左京先生と
隣の部屋に戻って行った。

男性陣が
居なくなり
ガールズトークの時間。

左京先生と恋の話を
中心に理香の話や
私の話など、
現在好きな人が
居ないと言っていた
陽菜子は文句も言わず
私たちの話を
聞いててくれた。

一通り話し終わり、
布団を敷いて寝た。

翌朝、
先に目を覚ましたのは
私と理香だった。

あの家で一人の理香と
朝からマー君の
お弁当やらを
作らなきゃいけない私は
必然的に
目が覚めたらしい。

廊下に出ると
男性陣二人に会った。

『マー君おはよう
左京先生
おはようございます』

二人は自販機に
行こうとしてたらしく
手には財布が
そのまま握られていた。

私たちも
同じ状態なんだけどね。

「佐川さん、左京先生
おはようございます」

理香も挨拶し、
四人で自販機に
行くことになった。

「恋たちは
まだ寝てるのかい?」

左京先生の質問に
答えたのは私。

『はい、私たちは
目が覚めてしまったので
二人で来たんです』

その横でマー君が
笑うのを
耐えてることに気付いた。

『ちょっとマー君』

大方、私の敬語が
可笑しかったんだと思う。

「佐川さん、
どうしたんですか?」

理香の質問には答えず
先に自販機の方へ
行ってしまった。

『私の敬語口調が
可笑しくて
笑うのを耐えてたんだよ』

二人にそう説明すると
ポカーンとした顔をされた。

高校時代は、
教師に対して敬語なんて
使わなかったからね。

『二人共、
何時までも
ほうけてないで行くよ?』

私の言葉にはっと
現実に戻って来た
二人を連れて
自販機に向かった。
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