担任は優しい旦那様
第二二話☆誕生日は盛大に
あれから、
理香の両親から
連絡は来なくなった。

そして今日は
理香の誕生日。

張り切って
豪華にしようと思う。

誕生日や記念日は
ちょっと贅沢出来る
特別な日だと
私は思っている。

それはマー君のせい
かもしれないけど……

とにもかくにも、
大事な友人で家族の
誕生日なんだから
盛大に盛り上げなきゃね。

「ただいま」

理香が帰って来た。

マー君はあいにく
職員会議で遅い。

まぁ、仕方ないか。

『お帰り』

私は料理の最中で
手が離せないから
キッチンから返事をした。

『そうだ理香、
昼間にメイドさんたちから
宅急便が来たんだよ』

そう、今日の昼間
鈴見家の
メイドさんたちから
荷物が届いたのだ。

「本当に?」

そんなに大きな
箱じゃなかったから
理香の部屋に運んだ。

『部屋に置いといたよ』

彼女たちは
理香に何を
送って来たんだろう?

後で訊いてみよう。

料理をしながら
そんなことを
考えていた。

因みに、
音信不通な両親は
当然ながら
送って来なかった。

「華蓮、佐川さんは?」

言ってなかったっけ……

『マー君は今日
職員会議で
少し遅くなるって』

「そっか」と言って
部屋に戻って行った。

十五分後、
理香が部屋から
出て来た。

時刻はまだ
午後七時を
少し過ぎたくらいだ。
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