担任は優しい旦那様
私は黙ったままだった。

それはイエスの意味。

『お姉ちゃんは、
反対なの?
佐川先生と
付き合ってる事』

「別に
反対なんてしないわ」

「華蓮が
好きになった人だし、
佐川先生は、
評判も良いしね。」

「でも、教師と
付き合うって事は
それなりの
覚悟が居るわよ?」

『分かってるよ。
例え周りに非難
されようと、
いじめられようと
私は負けない』

『先生の事が
大好きだから』

「そっか、でも
お父さん達には、
まだ、言わない方が
良いかもね」

『そぉだよね。
先生と付き合ってる
なんて言えないもん……』

「お母さんは、そこまで
言わなさそうだけど、
お父さんがねぇ……」

『お姉ちゃんもそう思う?』

「うん」

『やっぱそぉだよね……
どぉしよう……』

「まぁ、
何かあったら言いな。
あたしは何時でも、
華蓮と佐川先生の
味方だから」

『ありがと。
本当に何か
あった時は相談するね』

その日はそのまま、
国語教官室を出て帰った。

そんな話から、
早一ヶ月、夏休みも
終盤になっていた。

夏休みは、
家族で海に行ったり、
温泉に行ったりと
色々と過ごしていた。

友達と映画館に
行ったりもした。

先生とメールもしていた……

〈さすがに電話は
無理だったけど〉

私は早く夏休みが
終わらないかと
待ち遠しかった。

先生に会えるから。

すれ違うだけで、
嬉しかった。

帰りに
『気をつけて帰れよ』
とその一言が嬉しかった。

そんな、幸せも
続かないもので、
期末テストも終わり、
もうすぐ冬休みに
入ろうとしていた
十一月の終わり頃
とうとうこの日が
来てしまった。

私と先生は、
理事長室に呼ばれた。

コンコン

「どうぞ」

『失礼します』

中に入ると先生は
もうそこに居た。

私を自分の
隣に来させた。

「率直に聞くが
二人は
付き合ってるのかね?」

『あぁ付き合ってるよ』

先生が答えた。

私は次に言われる
言葉が怖くて、
ずっと俯いたままだった……
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