担任は優しい旦那様
別に離婚したからって
子供に連絡しちゃ
いけないわけじゃ
ないんだから
すればよかったのだ。

そうすれば、
結婚式の時の様なことを
理香だってしなかったと
自分でも言っていた。

「理由は
なかったんだが
何となく連絡
しずらくて
とうとう
しないままに
なってしまったんだ……」

ありえない!!

普通なら
絶対にありえない。

この人たちは
馬鹿何だろか?

はぁ~
いい大人が
そんな理由で
自分の子供を
傷付けたのかと
思うと呆れて
何も言えない……

『今日は
帰りますけど
明日からは
ちゃんと、理香に
連絡してあげて下さい』

これはきっかけだ。

「そうするわ」

よかった。

彼の背中で眠っている
理香の頭を
私は撫でた。

車の後ろのドアを開け
二人が乗り、
私が助手席に
乗ったのを確認して
マー君がエンジンをかけた。

『俺たちは
先に帰ります』

「気をつけて」

理香の両親が
自分たちの車に
乗ったのを見届けた。

私たちはお辞儀をして
家まで帰って来た。

理香はまだ眠っている。

『よっぽど
溜め込んでたんだな』

家に着き、
一休みしていると
マー君が未だに
眠っている
理香を見て言った。

私たち三人は
黙ってしまい
沈黙が訪れる。

「あれ?」

そんな沈黙を
破ったのは
理香本人だった。

『おはよう』

もう夜だけど
そう言ってみた。

「此処は家?」

『そうだよ、
理香がずっと
住んでた家だよ』

そういえは、
理香が此処へ
帰ってくるのは
久しぶりかもしれない。

「久しぶりに
帰って来たんだね」

理香は嬉しそうだ。

『今日は二人共
泊まって行きな』

マー君の提案で
理香たちは
お泊りが決定した。

『部屋、そのままに
してあるからね』

「本当に? 嬉しい」

こうして、
四人で沢山
語り明かした。

翌日、朝一番で
理香に抱き着かれた。

「華蓮、うんん
お母さん、
ベッド新しいの
買ってくれたんだね」

結婚式の時の様に
"お母さん"と
呼ばれけど
まぁいいか。

『そうだよ、
理香のために
二人で買ったの』

実家がそうだけど
ちゃんと
私の部屋が残っている。

流石に新しい
ベッドは買って
くれなかったけどね。

理香が喜んで
くれたなら
それでいい……
< 93 / 100 >

この作品をシェア

pagetop