担任は優しい旦那様
「父さんもありがとうね」

『あいつらに
授業で解らない所が
あったら連絡しろって
伝えといてくれ』

オッケーと言って
娘たちは
家の中に入って行った。

夏休み明けの九月、
今日から、学校が始まる。

この時期が
一番忙しいのを
私がよく知っている。

よって、
マー君の帰りが
遅い理由も分かっている

今年も
教師対抗リレー
走るのかしら?

流石に、
私が高校の頃とは違い
マー君も歳をとったから
もし、出るとしたら
まだ走れるのか心配だ。

私が心配した通り
現役時代とは違い
なんとか完走したものの
息切れを起こしていた。

『だから、
辞めとけばって
言ったのに』

走り終えて、
私の方に来たから
タオルと飲み物を渡した。

『まだいけると
思ってたんだけどな』

何を言っているんだか。

『来年はやめときなよ』

クギを
さしておかないと
マー君ならやりかねない。

『そうだな』

よしっ!!

これで来年は
走らないだろう。

家に帰って来て
全身筋肉痛だという
マー君に湿布を
貼ってあげた。

体育祭が終わると
次は十一月に
文化祭がある。

此処でも
無茶しそうな予感がする。

文化祭まで後二ヶ月!!

先のことは
後から考えればいいか。

そして、やっぱり
私の予感が当たるのだが
この時はまだ知らない……
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