変人同士が恋をした
そんな時


コンコン


部屋の戸を叩く音がした


「はい、どちら様でしょうか?」


じいが対応する


だけど、今回は


「困りますよ、それは
……いや、ですから…」


じいが困ってる


「じい、どうかしたの?」


思わず、声を掛ければ


「あ、いいえ
何でもございませんよ」


困ったように、だけど完璧に微笑む


「どなたが来たの?」


「……………シリル様にございます」


シリル様って………私の結婚相手じゃない!!?


この国では、結婚相手とは式の時に初めて顔を合わせるものである


特に、アイル達のような場合には


「どうして……?」


特に決まっていることではないが、アイルはそれが普通だと思っていたのだ
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