ボタン





「…マナ」




「何?」




「…」





優しくマナって呼ばれて、悲しそうに微笑んで、





やめてよ。止めたくなる






言いたくなる








届かないのに、望んでしまう









「じゃぁ…な、マナ」




聞いたこともないくらい、弱々しい、声が聞こえる





達也の足音が私から遠ざかる






ギィ









錆びた音が響いた


















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