モノクロ
そんな。ちょっと待ってよ。

何も考えられなくなったように、無意識に吐き出された私の言葉。


……私は、私、は。


「あぁ………!!?」


頭の中はガタガタで、何も。何も考えたくなくて。

それでも見つめた先の鏡の中で私の色は着実に失われていく。


嫌だ。このまま白と黒になってしまったら。

白と黒さえ取られてしまったら。



考えたくないような想像が頭をぐるぐる回って、どんどん怖くなる。

鏡から目を逸らして、自分の足元に視線を移す。


校則通りの紺のハイソックスとチェックのスカート。

目に入ったのは、それから――



「―――っぃやぁ!!!」


幻覚。私の腕から色が抜けていく。


「しっかりしろ、鹿島。」



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