【短編】虹の端っこの、キミ。
「あるよ!絶対にある!陽ちゃんは信じてないの!?」
あぁ。
予想通りの答えだ。
日和の言葉にゆっくりと首を振り、俺は笑った。
「信じてるさ。だって俺はもう見つけたし」
「えっ…?」
なぁ、日和。
お前が躍起になって探している間に、俺はとっくに見つけたんだよ。
大切な、宝物を。
「な、何で!?ズルイ!」
「何がだよ」
「陽ちゃんだけ見つけたなんて、ズルイもん!日和はまだなのにっ!」
怒ったように俺を睨む日和の頬を両手で掴み、こう言った。
「――――早く、見つけてやれよ」
俺の言葉に、日和は不思議そうに小さく首を傾げた。