【短編】虹の端っこの、キミ。
家が隣同士だった俺たちは、小さい時からいつも一緒だった。
一人っ子の日和は、俺のことをまるで兄のように懐いていた。
俺も、自分を慕ってくれるコイツが可愛くて仕方なかった。
どんな時だって日和を守るのは、俺なんだと。
だから…俺は、コイツから目を離すことなんてなかった。
……そのせいか?
ちょっとした変化にも気付くようになった。
もちろん、精神的なこともだが…
(…またキレイになったな)
俺だって健全な男子高校生だ。
あんなに小さかった日和が、こんなにも女らしく成長した。
………仕方ねぇだろ。
日和のことを異性として見ている俺に気付いた時は、愕然とした。
ありえない。
そんな訳ない。
そう何度も自分に言い聞かせたが、その気持ちを打ち消そうとする度に辛くなる俺がいた。