【短編】虹の端っこの、キミ。
もう、認めるしかなかったんだ。
「陽ちゃん」
俺はコイツに惚れてる、と。
「ん?」
「また授業サボったでしょ!ダメじゃない、受験生なんだから!」
プンスカと怒る日和を見て、フッと笑う。
……変わんねぇな。
「いんだよ。たまには息抜きも必要だ」
「そんなこと言って、日和、陽ちゃんが勉強してるとこ見たことないもん」
「…………」
そう言う日和に、何も言い返すことができない俺。
情けねぇ。
だけど、俺はこの空気は嫌いじゃない。
気まずさなんかこれっぽっちもなくて、ただ愛おしさが増すんだ。
馬鹿みてぇだけど、ほんとなんだ。
一度自分の気持ちを認めてやれば、今までのモヤモヤは吹っ飛んで、代わりに清々しいまでのコイツへの気持ちだけが残った。