【短編】虹の端っこの、キミ。
内心でため息をつきながら、されるがままに空を仰いだ。
「あー…うん」
……すげぇな。
俺の視界いっぱいに広がった大きな橋を見て、俺は内心で唸った。
こりゃ、日和が興奮するのも分かる気がする。
「ねっ?すごいでしょ?」
「あぁ」
日和の言葉に頷く。
七色の鮮やかな色が、くっきりと空に張り付いていた。
まるで誰かがクレヨンか何かで描いたみたいに、それははっきりと浮かんでいて。
「キレイだな…」
心の底からそう思った。
思わず頬が緩む。
と、そんな俺の耳に、日和の声が飛び込んできた。