はちみつ色
18時過ぎでもまだ空は明るい。


昼間の熱気は、少し和らいでいたけれど。


日本の夏特有の肌に纏わりつくような風は、夕方でも健在だった。


図書館の横には、子供用の遊具や芝生、ドックランが併設された大きな公園がある。


木が生い茂ってる分、木陰も多い。


いつもなら、そっちなんて興味なく家に帰っていた。


でも、今日に限って寄ってみようかななんて思ったりして。


道路に出る道とは別のレンガの上を歩き、木々がざわめく公園に足を踏み入れた。


敷地に入ってすぐの遊歩道。


休憩用に何台かの木製のベンチが転々と置かれている。


別に目的があって来たわけじゃないから、俺は公園の周りを巡る遊歩道に沿って歩いた。


ちょうど、図書館と反対側まで歩いた位。


人の声がして足を止める。


「・・・めて・・・・・・さい」


「はー?いいじゃん?」


柄の悪そうな男2人に挟まれてる女子発見。


スーパーのビニール袋を両手で持って、男達の誘いを断っている様だった。
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