はちみつ色
「てかさ?名前、教えて?」


さっきまでの表情を一変させ、笑顔で俺を見上げる。


俺を真っ直ぐ見る瞳に、またしても心臓がドクンと音を立てた。


この目はいただけない・・・・・・。


なんか・・・精神を蝕まれる魔性の瞳なんじゃねーのか、みたいな感じ。


「ね、名前は?」


「春山・・・・・」


「ハルヤマ?」


「桜輔」


「オースケ?」


「・・・・・・そ」


杏は俺の名前を確認すると、目を細めて表情を和らげた。


クルクル変わる表情から、視線をずらす事が出来ない。


「分かった。じゃぁ・・・ハルヤマ?」


「・・・・・・あ?」


オンナに苗字を呼び捨てされるなんて、人生初。


ま、いいけど。
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