はちみつ色

S極・M極

*S極・M極*

☆☆☆☆☆☆

あれから1週間。


杏と校内で顔を合わせることもなく、普段と何一つ変わらない日常を過ごしている。


夏休みまで残すところ10日。


受験生になる前の最期の夏休みをカップルで過ごそうと、男も女も血走った目で相手を模索中のようだ。


ま、俺には関係ないけど。


長い夏休みは、スタンドのバイトに行くか・・・何かしらの予定は入れるつもり。


家でダラダラなんて、夜勤明けの母ちゃんに見つかった時点で叩き出されるだろうし。


「ハルヤマ~、もっと青春しよぉぜ?」


これも相変わらずの光景だ。


今日は俺の前の席を陣取って、イスを跨いで俺を見る唐沢。


「合コンとか行ってさ?好みの女の子を連れ出してさ?あんなこととか、こんな事とかって・・・したくね?」


「・・・・・・オマエだけ行ってろよ」


「あぁ・・・もう、それでも正常な男子かよ?本当に男に走ったんじゃねーだろうな?」


不服そうに眉間に皺を寄せた唐沢。


大丈夫、男に走るほど焦ってねーから。
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