はちみつ色
「女子のみなさん、ごめんね?春山はね、この夏、お勉強しなくちゃいけないから」


首を右に傾げながら壁のように立っている女子たちを見上げる唐沢。


「勉強・・・?春山君が?」


似合わない・・・そう言いたげな視線を向ける女子。


その様子を構う事なく、唐沢は続けた。


「そう。大切な勉強を俺が教えてあげる予定になってんの」


「夏休みの宿題・・・とか?」


「ん、それよりも大切な人生の課題・・・みたいな?」


「・・・・・・何それ、意味分からないんだけど」


「分からなくて結構っ!!てか、俺たち二人の勉強が覗きたいなら入れてあげるけど?」


なんて、ニヤリと口角を上げて笑って見せた唐沢に、周りの女たちは顔を引きつらせて散っていった。


まぁ・・・結果として助けてくれたんだろうけど・・・もっと他の理由にすればいいのに。


ナゼか、満足そうに頬を緩めている唐沢を見ながら「ありがとう」の代わりに溜め息をついてみせた。

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