はちみつ色
「てかさ?春山、補講ないとかってズルくね?」


片肘を突いて顔を傾けている俺を覗き込むようにして唐沢が言う。


この前終わった期末の英語と数学の点数が悪かったせいで、夏休みの6日間も補講になったって言ってたような。


「俺、要領いいし」


ニヤリと笑って見せたら、唇を尖らせて睨んできやがった。


「愛里さんのスパルタのおかげだろうがっ!!!」


「あ?何で知ってんの?」


「オマエの事なら何でも知ってるっての」


ストーカーか、お前は。


家にカメラでも仕掛けてんじゃねーの?なんて。


てか、愛里って姉ちゃんね。


1コ上で、母ちゃんみたいに看護士になるって勉強に励んでらっしゃる。


賢いのは母ちゃん譲りらしく、優等生には見えないけど頭はいい。


俺は、父ちゃんに似て腕っ節が強いだけ。


あ、父ちゃんって大工。


今は、県外の現場に入ってるからプチ単身赴任中でいないけどね。
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