はちみつ色
「てかさ?杏ちゃんとはどうなってんの?」


尖らせていた唇の端を器用に上げて俺の視線を捉える。


「あ?何で杏?」


「春山が自分から出した女の名前だからさぁ~気になってんのかと思って?」


「んなワケねーし」


ないない。


ない・・・・・・ない?


いや、ない。


絶対にない!!!!!!


そもそも、この前のケンカを目撃した話どころか、会った事すら唐沢には話していない。


ミステリアスな雰囲気に納得して、興味があるのは確かだけど。


コイツに話したところで「会ったのか!?運命じゃね?てか、会いに行ったとか?」


みたいに話が進むのが目に見えてる。


もしかしたら、補講そっちのけで「協力する!!」って動き回りそうじゃん?


そんな事、勘弁だし。


てか、興味はあっても唐沢が喜ぶ方向の興味じゃねーし。


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