はちみつ色
あたしの事を聞きたいとか言う人は、今までにも沢山いた。


自分の事を話さないでいるから不思議に思われているだけで、友達になろうとか、それ以上の感情はないような口ぶり。


ただ、聞きたいだけ。


ただ、自分たちの想像が合ってるか確認したいだけ……の様に感じるんだけど。


だから、極力話さない。


適当にはぐらかすのが、最近では上手くなったと自分でも思う。


ニコニコしながらマイペースに玉子焼きを刺したフォークを口に運んでいるヒナタから、視線を廊下に移した。


さっきから、ザワザワと騒ぐ声が聞こえたから。




《……あ、あいつ》



短い黒髪をツンツン立てた男の人の隣を仏頂面で歩くキラキラ頭。


こちらを見る様子もなく、だるそうに首を右に傾けて足を進めている。


その二人を遠巻きにしてる女子は、それぞれに「ヤバすぎる…」って呟きを漏らしていた。


てか、皆さん目がハートになってますけど?


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