はちみつ色
「あれ?うちの学校の2トップじゃない??」


「つぅ・・・とっぷ?」


視線を戻せば、左手を口元に当てたヒナタが廊下を見つめている。


「4組の春山くんと唐沢くんでしょ?」


「・・・へぇ」


あえて《春山桜輔》を知らない振りをしたのは、この前の話をヒナタにしていなかったから。


てか、黒髪ツンツンは唐沢って名前なのか。


隣のクラスだったんだなぁ・・・。


初対面のアタシの事、いきなり《キョウ》って呼んだ失礼な奴。


失礼というか馴れ馴れしいというか。


あれだけ女子に騒がれてたら軽くもなるって感じ?


髪なんか染めてさ?


絶対女の子なんて付き合っては捨て、付き合っては捨てってタイプだな。


てかさ?


逃げろとか言って、あんたは勝てたって?


相手はバタフライナイフ持ってたのによ?


見た目だけで威嚇しようったって無理でしょ。


別に守ってもらう必要ないし。


あたし、強いし。



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