はちみつ色
「は・・・バカじゃねー?」


「いや、普通そう思うだろ。女の話もしないし?てか、俺の事、マジで惚れてたりして?てか、オマエになら抱かれてもいいけど?」


コーラのペットボトルの蓋を開けながら、唐沢はゲラゲラと声を上げて笑う。


「女・・・・・・ね」


机の上に頬杖を付いたまま、視線を窓の外に移して呟く。


そんな俺の声は聞こえなかったようで、唐沢はゴクゴクと泡立ったコーラを喉に流し込んでいた。


「オマエさぁ・・・髪が背中半分位のストレートで、ネコ目の女って知ってる?」


聞くなら、今しかないと思って。


女友達や、CIA並みの情報量を持った唐沢なら何か知ってるんじゃないかって気がしたし。


それに、俺が女の事を聞いたら絶対驚いて必死に情報を集めてくるんじゃないかとも思ったから。


「・・・!?何っ!?女の話!?」


想像通り、唐沢は目を丸くして俺の話に食いついてくる。


「そ、オンナの話。この学校にいると思うんだけど」


唐沢は、手にしていたコーラを俺に手渡すと


ストレート・・・・・・ロング・・・・・・ネコ目・・・・・・


と腕を組み眉間にシワを寄せながら、呪文のようにブツブツと唱え始めた。
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