【更新停止中】家政夫くんの攻略法
それでも丁度いい機会なので、米の研ぎ方から炊き方を教えることにした。
炊飯器があるから、研ぎ方だけ。
「まず、米を測って」
きちんと計量カップで量を測らせる。
「じゃ米洗って」
米を研ぐ前にさっと洗わなきゃならない。
すると中村はあるものを手に取る。
「おい」
「ん?」
持ったまま、口角を上げて俺を見る。
「...洗剤で洗うとかお約束な事しなくていいから」
「...えへ」
静かに洗剤を戻して、水道の蛇口をひねる。
「スピード勝負っつったろ」
「強くこするな! ボロボロになるぞ」
つい一つ一つ注意してしまうので、しまいには
「...坂口くん、これからも美味しいごはん炊いてください」
半泣きのまま頭を下げられた。
しまった。
また怖がられてしまう。
体育の時に目をそらされた事を思い出す。
心の中で舌打ちをしながら、残りの作業を引き受けた。