【更新停止中】家政夫くんの攻略法
「そーなの!
右京ったら昔から女の子と間違われてね〜」
向かいのソファに腰掛けてクスクスと笑う坂口さん。
私の読み通り、あの美人さんは坂口くんの3番目のお姉さん美保[ミホ]さん。
優雅な佇まいで、一切れのバアムクーヘンを差し出される。
しかしお姉さんのお皿には、三切れもバアムクーヘンがあった。
会話よりもバアムクーヘンを一口一口、大事に頬張る姿はかわいい。
「右京はお役に立ててる?」
紅茶を一口飲んでいると、心配そうな瞳で尋ねられる。
「もちろんです!
いつも美味しいご飯に、お弁当まで...」
「かわいい顔弁まで作ってくれたんですよ〜」
ちょっと意外な話をしようと、この間のお弁当の話をする。
するとお姉さんがキョトンとした顔で私を見る。
「そのお弁当、わたしが作ったんだよ」
「えっ、そうなんですか?!」
意外な真実に驚く。
「『女子の弁当ってどうすんの』って言われたから、参考に作ったの。
気に食わなかったのか、ものすごく怒られたんだけどね〜」
美味しかった?と尋ねられ、こくこくと頷く。
坂口くんってオトメンじゃなかったんだ...。