【更新停止中】家政夫くんの攻略法
「なんでお前がいるんだ!」
不覚にも不埒なことを考えてしまった自分に恥じ、つい声を荒げる。
「そりゃ、お見舞いに来たのっ」
そんな俺に負けずに、中村もおでこをさすりながら答える。
見舞いの単語に動揺する。
額に感じた冷たさは中村の指先。
中村...そういや冷え性だっけ。
途端に咳がしたくなり、顔を背けて手で口を覆う。
「ごめんね、勝手に部屋に上がったりして」
えへへと笑う彼女。
でもその笑顔に違和感を抱く。
その顔は初めて会った時の無理して笑顔を作り、沈黙を恐れ無駄に会話を探していた彼女を思い出させる。
「坂口くんのお母さんも、お姉さんも綺麗な人だね〜」
「電車通学だったんだねっ」
目も合わさずに、次々に話す彼女。
明らかにいつものあいつじゃない。