【更新停止中】家政夫くんの攻略法
「それに坂口くんに家政夫をお願いしてるのだって、わたしが何もできないせい。
坂口くんにも迷惑かけて———」
「なんだよそれ」
自信をなくした瞳を捕まえる。
「なんでいつも、人の迷惑になること考えてんだよ」
初めてあの保育園に行った時だってそうだ。
いつも哀しそうな顔をするのは、人の迷惑になりかけた時。
「おまえがいることで、そんなに誰かの迷惑になんの?」
「だってわたし一人のためにみんな...」
「そんなの被害妄想にもほどがあるだろ」
消え入りそうな声で自分の意見を言う彼女。
その目にはうっすらと涙が溜まる。
「だから保育園で手伝いしてんの?
自分の迷惑を帳消しにするために、恩を売ってるわけだ」
「ちがっ」
「違わねえよ。
一人で親の帰りを待つあいつらを、可哀想だって思ってんだろ」
熱で頭がぼうっとする。
表面でしか考えてない言葉が、するすると口から出て行く。
ちがう。
泣かせたいわけじゃないんだ。