【更新停止中】家政夫くんの攻略法
「はい、桃缶」
すっかり平常心に戻ったのか、小春はカバンから桃缶を取り出した。
...こっちは無駄に心臓鳴ってんのに。
俺が抱きしめたところで、何も変わらないことが悔しい。
「俺が怖くないのか?」
突然の問いに彼女はきょとんとした顔をする。
「なんで?」
なっ、なんでって...。
「俺と目合ったら、すぐにそらすし。
怖がってんだろ」
頼と一緒のときは笑ってることが多いのに。
俺といるときはビクビクしてる気がする。
...そりゃあ、初対面で喧嘩したからな。
初対面のあの日を思い出す。