【更新停止中】家政夫くんの攻略法
食堂ではいろんな話をした。
わたしが保育園でお手伝いをしていることや、水嶋くんの引越し前までのこと。
お父さんの仕事でこっちに来て、街並みがきれいなことに驚いたんだって。
そして前の学校で入部していた水泳部は、有名な強豪で彼の実力を感じた。
海くんのお迎えの時間になり、バイバイと軽く手を振り帰路へと振り返る。
ふと、ただ何気なくスマホの画面を見ようと鞄から取り出す。
「———っ!」
一目見ただけで、心臓がぎゅっとつかまれたように苦しくなる。
”早く帰ってこい”
その一言しかないけれど、それだけで思わず笑顔になってしまう。
「そうだ、あれを買って帰ろう!」
ずいぶん軽くなった足取りで、目的地へと急ぐ。