【更新停止中】家政夫くんの攻略法
しかし解決策は見つからないまま、解説も終わり授業終了に近づく。
次回の予習プリントが配られ、『更級日記』であることを確認する。
いつも通りの形式で、問いが裏の方まで続いているのでパラリとめくる。
そこにある文字が目に飛び込んでくる。
「うげえええ、期末だあああ!」
ある男子が大きな声で口にした。
彼が叫ばなくても、きっとみんな心の中で悲痛な思いを抱いているだろう。
わたしもその名前を見ると胸が痛む...。
担当教員の範囲説明と期末考査という現実で授業は終了した。
「ほんと、水嶋もかわいそうだよな〜。まさか期末直前に転入なんて。こういうのって特別措置あんのかね?」
「ないでしょ。やってくれそうな教員はごく一部」
「心配してくれてありがとう」
牧村くんと沙織の言葉に水嶋くんは笑顔で返すけれど、やっぱりちょっと苦しそうに見える。
お父さんの突然の異動とはいえ、期末直前は厳しいよね...。
うちの学校大まかな範囲がひと月前で、詳細は二週間前だからなあ。
今日がその二週間前...。
教科書だってまだ揃ってないのに、厳しすぎるよ。
「2週間あるし、今日だいたい教科書揃うからなんとかなるよ」
水嶋くんは心配させまいと笑顔を見せるも、その笑顔に素直に安心できない。