【更新停止中】家政夫くんの攻略法
休み時間になり、次の授業が移動教室でもないので時間に余裕がある。
いてもたってもいられなくなり、会話を切り上げ隣の教室へと足を運ぶ。
教室の入り口のドアから少しだけ、顔を覗かせると目当ての彼の姿があった。
日本史の授業だったようで、黒板を消される前にプリントに書き込んでいるのだろうか、ペンを持つ手は忙しない。
窓際に近い列に座っている彼は、時折黒板に対して目線を向ける。
書き漏らすまいとするその真剣な横顔は、何事にも真摯な態度で臨んでいるのだとわたしに再確認させる。
ほんの数秒だけ眺めていたような気がする。
それなのに、なんと彼は横目をわたしに向けたのだ。
「あ、ちょ、あの...えっと...」
突然のことに、もちろん用があって会いに来たのだけれど、まだレジュメに書き残しがあるならそっちを優先してほしい、と自分の思いが混乱する。