【更新停止中】家政夫くんの攻略法
プリントアウトされたものだけど、”ご要望”のところに確かに書いてある。
『娘はオムライスが好きなので、初回は作ってあげてください。
中がぐすぐずでナイフで広げる、タンポポオムライスをお願いします。』
心の奥が懐かしくなる。
オムライスを作ってくれたのだって、もう何年も前のことだから。
記入し終え、左手首の腕時計を見る。
「よし。じゃあ今日は———」
「ごめんっ!今日用事あるから、先行くね!」
筆記具をカバンに放り込み、教室から飛び出す。
「おい、連絡先!」
坂口くんの言葉も気にせず、必死に階段を降りる。