月下の踊り子
第二章『守りたいもの』
最近、宮沢の素行の過激さが目立つ。
極力気にしない様にはしていたが上の方から言われては黙認してはいられない。
今は宮沢を待っている。
後で自分の所へ来いと命令した時、宮沢はあらさかさまに嫌な顔をしていた。
面倒な事はごめんなので出来れば口論にならず、すんなりと話が進めば良いのだが。
トンットンッ
扉をノックする音が聴こえる。どうやら待ち人が来た様だ。
「入れ」
「失礼します」
扉を開けて入ってきた宮沢は断りもなく近くの椅子に座ると「用件は何ですか?」と本題へ移る様に急かした。
さっさと終わりたいのだろう。それは私も同じ気持ち。だから無駄な話は一切挟まず用件だけを伝える。