月下の踊り子
夢、
またこの夢だ。
最近、頻繁に見ている様な気がする。
白い女と子供の夢。子供は白い女を「おかあさん」と呼んでいた。
白い女は子供の呼びかけに対し、いつも笑顔で受け答えている。
その笑顔は光景を傍観するだけの第三者である私をも和ませるほど穏やかだった。
白い女という形容は着ている衣服が白い訳ではなく、その身体にある。
穢れのない透明な白い肌。
彼女ほど白という言葉が似合う人間を見た事がない。
夢の舞台はいつも同じ場所。
子供はまた白い女を連れて川の浅瀬で遊んでいる。
どうやらここがお気に入りらしい。