『仰せのままに、お嬢様』《完》

その後あたし達は、また
タクシーに乗って家に帰った。


パパはたしかどこかの会長
さんとゴルフ＆食事だとかで
いなくて、出迎えてくれた
のは朝子さんとママ。


ところが、その二人だけ
かと思ったら、ママ達に
続いてリビングから
もう一人出てくる。


パーマをかけたクリクリした
髪に、長い睫毛に濃い
二重まぶたの、わりと
かっこいい外見。


だけど服装の趣味はお世辞にも
いいとは言えなくて、今日の
服装もどこかの高級ブランドの、
黒い生地にキラキラした
ラメの入ったスーツ。

中のシャツは赤で、上の
ボタンを開けて衿を立ててる。


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