『仰せのままに、お嬢様』《完》
香水の香りをプンと漂わせて
近づいてきたその人は――…。
「――遼人(リョウト)さん」
内心『うわっ』と思ったけど、
極力顔に出さないようにして
呼びかけた。
そこにいたのは、
久賀 遼人(クガ・リョウト)さん。
親戚――といってもそれほど
近くない、あたしのはとこに
当たる21歳の男の人。
だけど遼人さんの家は大手の
外食産業チェーンを経営
してて、そのせいで仕事
絡みも含めて、昔から寿家
とはつき合いが濃かった。
実は、昔からつき合いが
あったけど苦手な親戚の
男の子っていうのは、この人。
_
近づいてきたその人は――…。
「――遼人(リョウト)さん」
内心『うわっ』と思ったけど、
極力顔に出さないようにして
呼びかけた。
そこにいたのは、
久賀 遼人(クガ・リョウト)さん。
親戚――といってもそれほど
近くない、あたしのはとこに
当たる21歳の男の人。
だけど遼人さんの家は大手の
外食産業チェーンを経営
してて、そのせいで仕事
絡みも含めて、昔から寿家
とはつき合いが濃かった。
実は、昔からつき合いが
あったけど苦手な親戚の
男の子っていうのは、この人。
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