『仰せのままに、お嬢様』《完》
「リリカ様もこう
おっしゃっています。
久賀様。本日は
お引き取り下さい」
「何だと、お前――!」
「お引き取り下さい。
これ以上、我が主に恥を
かかせるようなことを
なさるのであれば――…」
楓さんの澄んだ瞳の奥が、
キラリと光る。
静かな声。落ち着いた表情。
だけどその瞳には、有無を
言わせない強い光がある
ように見えた。
(楓さん―――……)
鼓動がいつの間にかすごく
速くなってる。
ドキドキする胸に手を当てて、
あたしは楓さんと遼人さんを
交互に見た。
……短い沈黙。
やがて、負けを認めて声を
発したのは、遼人さんだった。
_
おっしゃっています。
久賀様。本日は
お引き取り下さい」
「何だと、お前――!」
「お引き取り下さい。
これ以上、我が主に恥を
かかせるようなことを
なさるのであれば――…」
楓さんの澄んだ瞳の奥が、
キラリと光る。
静かな声。落ち着いた表情。
だけどその瞳には、有無を
言わせない強い光がある
ように見えた。
(楓さん―――……)
鼓動がいつの間にかすごく
速くなってる。
ドキドキする胸に手を当てて、
あたしは楓さんと遼人さんを
交互に見た。
……短い沈黙。
やがて、負けを認めて声を
発したのは、遼人さんだった。
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