『仰せのままに、お嬢様』《完》
遼人さん、まだ諦めてないんだ。

というか会社なのに、
そんな話するために
わざわざ行くなんて。


「ご、ごめんね」


別にあたしが仕向けたわけ
じゃないけど、パパに申し
訳ない気がしてつい謝ると、
パパは意外そうな顔をする。


「うん? いや、別に
構わないんだがな。

しかし、遼人君の気はなか
なか収まらんようだなぁ。
まあ、長いつき合いだから
気持ちもわかるが」


「えぇ、そう?」


あたしには、正直全然
わかんないんだけど。


苦笑いしてると、パパは
次に思わぬことを言った。


「お前がもう少し彼と
馴染んでたら、たしかに
彼でもよかったかもしれん。

お前、どうしてそんなに
遼人君が苦手なんだ?」


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