『仰せのままに、お嬢様』《完》
だからあたしが馴染んでない
ってわかってても、小さな
頃にはしょっちゅう遼人さんを
遊びにこさせてて……。

そう言えば、昔は――…。


「わしは、リリカの一番の
花婿候補だと思ってたん
だがなぁ」


ちょうど考えてたことを
パパの口から言われて、
あたしはマジマジと
その顔を見た。


パパはちょっとだけ残念
そうな笑顔を見せながら、


「なかなか見所のある
青年だと思うんだが。

今だにそんなに苦手なのか?」


「や、やだな……パパ……」


どうして、そんな残念
そうな顔してるのよぉっ?


まさか今だにそんな期待
持ってるなんてこと、ないよね?


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