『仰せのままに、お嬢様』《完》
「え? それは嬉しいけど、
僕こんなに泥だらけだから
お屋敷にはあがれないよ?」


「そんなの大丈夫だよ。
気にしないでいいって」


「そうかなぁ……」


と、そんな会話をしていた
時に、車を入れ終わった
楓さんがやって来る。


「これは鴨井様。
本日もお勤めご苦労様です」


「楓さんこそ、すっかり
馴染んでるみたいで。

さすが一流執事さんですね~」


和やかに話してるけど、
やっぱりこんな寒い所で
立ち話も何だよね。


あたしは、今度は楓さんに
言ってみた。


「今、幹生君も一緒にお茶どう?
ってお誘いしてたの」


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