『仰せのままに、お嬢様』《完》
「英国では、紅茶は生活から
切り離すことのできない
習慣でございます。

古くから、ティータイムは
執事にも与えられている
権利でございますので」


シレッとした顔で言って、
楓さんは朝子さんを追って
キッチンに歩いていった。


ほどなくして、楓さんが
人数分の紅茶と、クッキーや
スコーン、マカロンなんかの
スイーツを運んできてくれる。


テーブルのお誕生日席に
あたし、両サイドに幹生君と
楓さんが座る形で、お茶の
時間が始まった。


「わ、このマカロンおいしい!」


「銀座に新しくオープン
いたしましたパティスリーで
買い求めたものでございます」


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