『仰せのままに、お嬢様』《完》
「驚かせてすまんな。

リリカに急ぎ話して
おきたいことがあってな。
ちょっと時間を取ったんだ」


「話したいこと?」


一体何? 

キョトンとするあたしに、
パパが続けた言葉は――…。



「お前に縁談の話を
持ってきてやったぞ」



――――は?


………え……縁談?


「縁談っ!!?」


たっぷり5秒くらい考えて
から、その後自分のものとは
思えない金切り声をあげる。


……だ、だって! あたしの
知ってる縁談って言ったら、
あの縁談だよ!?

他になんか違う意味あったっけ?


「な、何言ってんのパパ?

あたしまだ、19―――」


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