『仰せのままに、お嬢様』《完》

｢ムッ、ムリだよあたし。
縁談なんて！｣


懇願するように叫んだら、
パパは手をあげて『まあまあ』
となだめる仕草をした。


｢そう慌てるな。何も成人
したらすぐ結婚しろと
言ってるわけじゃない。

ただ、そろそろお前も
そういうことを考えて
男性とつき合うべき年頃だ。

縁談をして、そこから
積極的に相手との関係を
深めていけと言ってるんだ｣


｢あ、相手って……｣


……だいたい誰なの、
その相手って。

『話を持ってきた』って
ことは、もう相手も
決まってるってこと。


(ま、まさか………っ)


_