『仰せのままに、お嬢様』《完》
その時になって改めて、
パパの背後に立つ二人に
意識が向いた。


こんな話をしに来たパパに、
どうして伯母様と遼人さんが
ついて来てるのか。


まさか……そんな。

いくらなんでもそんなこと、
ないよね……?



「―――そう。

相手はこの俺だよ、
リリカちゃん!」



「うっ―――…」



………嘘、でしょ?


一秒の間もあけずに
打ち砕かれた希望に、
めまいがしそうになる。


遼人さんと、縁談?


そんな――そんなの、
ありえないよ……!!


「――リリカ様。
どうかご冷静に」


至近距離で声がして、
ハッと我に返った。


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