『仰せのままに、お嬢様』《完》

第三章

１ 最悪のデート

　　　　　☆☆☆☆☆



三月に入った、その週の週末。


朝食を食べて一息ついた頃、
いきなり遼人さんが訪ねてきた。


ギョッとするあたしに、
遼人さんが放った第一声は、


｢デートしよう、
リリカちゃん！｣


｢は………？｣


本当に、この人にはとことん
ついていけない。


数日前いきなり縁談だなんて
言われた時も、その場で
やんわりと、後から散々
パパに文句を言った。


けど、一旦その気になったら
パパは強引。

それに『実際遼人君があんなに
お前を気に入ってくれてるんだ。
一度真面目に考えてみろ』
なんて言って……。


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