『仰せのままに、お嬢様』《完》
「楽しい外出……というわけ
にはいかないでしょうが。

ですが、久賀様の人柄を
考えますと、多少の妥協は
必要かと思われます。

頑なに拒むと逆に彼を
刺激し、今以上の暴挙に
出ないとも限りません」


「うん………」


たしかにそれは
あるかもしれない。


きっと急に縁談だなんて
言い出したのも、パパが
楓さんを呼んだことが原因だ。

かなり不満だったみたい
だから、当てつけでもあるし、
自分の存在を主張した
かったんだろう。


(これ以上怒らせたら、
下手したら勝手に許婚だとか
親戚中に言ってまわるかも
しんない……)


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