『仰せのままに、お嬢様』《完》
バッサリと言い切られて、
あたしは言葉を失う。


(本当に……遼人さんが……?)


「可能性は否定できませんが、
あまり早急に答えを求めない
方がよろしいでしょう」


「楓―――…」


「たしかに久賀様には少々
一般とは違う感性がおあり
ですが、確証のないうちから
決めつけるのは性急かと
存じます」


思いのほかピシャリと指摘
されて、香奈枝は『えー、
でもぉ』と唇を尖らせた。


それをなだめるように、
楓さんは落ち着いた声で、


「この件に関しましては、
どうぞ私にお任せ下さい。

本日の件も含めて、早急に
調査を進めます。
……久賀様についても」


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