『仰せのままに、お嬢様』《完》
「うん、ありがと」
そうして、あたしは楓さんに
ついてもらって自室へと
向かった。
ところが、すっかり緊張が
緩んだせいか、情けない
ことに階段で大きく
ふらついてしまう。
慌てて手摺りに掴まって、
転ばないですんだけど。
「いかがなさいました
リリカ様。お気分でも―――」
「だ、大丈夫。ちょっと
フラッとしただけだから」
照れ笑いを浮かべながら
言った、その直後。
楓さんの体が近づいたかと
思ったら――次の瞬間には
フワリと風を感じて、
あたしの体は重力に
逆らって浮き上がった。
「え――ちょ、やだっ――…!」
_
そうして、あたしは楓さんに
ついてもらって自室へと
向かった。
ところが、すっかり緊張が
緩んだせいか、情けない
ことに階段で大きく
ふらついてしまう。
慌てて手摺りに掴まって、
転ばないですんだけど。
「いかがなさいました
リリカ様。お気分でも―――」
「だ、大丈夫。ちょっと
フラッとしただけだから」
照れ笑いを浮かべながら
言った、その直後。
楓さんの体が近づいたかと
思ったら――次の瞬間には
フワリと風を感じて、
あたしの体は重力に
逆らって浮き上がった。
「え――ちょ、やだっ――…!」
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