『仰せのままに、お嬢様』《完》
「ねぇ、楓――…」


あたしは自然と楓さんの
名前を呼んでいた。

そして、前々から聞きたいと
思ってたことを尋ねてみる。


「楓はどうして、あたしに
こんなによくしてくれるの?

執事だからって言えば
それまでだけど――でも
楓がこの家に来たのは、
まだ最近でしょ。

それなのに、どうして
こんなに熱心につくして
くれるの?」


「リリカ様―――…」


楓さんがマジマジと目を
見張った。
ものすごく意外なことを
聞かれた、っていうような顔。


……あれ、やっぱりこの
質問、変だったかな。

だからそれが執事なんだろ、
とか笑われちゃう?


_
< 228 / 364 >

この作品をシェア

pagetop