『仰せのままに、お嬢様』《完》
ちょっと不安になったけど、
幸い楓さんは大笑いする
ことはなく――
でも、小さく『フッ』とは
笑って、こう言う。
「私の熱心さは、
おかしゅうございますか?」
「え? いやえっと、別に
おかしいってことじゃ
ないんだけど……」
そう聞かれると逆に
困ってしまうな。
楓さんの献身ぶりは素直に
嬉しいんだけど――ただ、
どうしてこんなあたしの
ためにそれほど頑張って
くれるのかなぁって、
気になったんだ。
答えに詰まってると、
楓さんが早々に次の言葉を
紡いだ。
「私は、寿家に招かれることに
なった際に誓いました。
全身全霊で、新しい主に
仕えると。
それは執事にとって、ごく
当然のことなのですが――」
_
幸い楓さんは大笑いする
ことはなく――
でも、小さく『フッ』とは
笑って、こう言う。
「私の熱心さは、
おかしゅうございますか?」
「え? いやえっと、別に
おかしいってことじゃ
ないんだけど……」
そう聞かれると逆に
困ってしまうな。
楓さんの献身ぶりは素直に
嬉しいんだけど――ただ、
どうしてこんなあたしの
ためにそれほど頑張って
くれるのかなぁって、
気になったんだ。
答えに詰まってると、
楓さんが早々に次の言葉を
紡いだ。
「私は、寿家に招かれることに
なった際に誓いました。
全身全霊で、新しい主に
仕えると。
それは執事にとって、ごく
当然のことなのですが――」
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