『仰せのままに、お嬢様』《完》
楓さんの辛さ、後悔。

あたしにも、わかる気がする。


「ですから私は、正直な
ところ執事という職を
辞めようと考えていました。

いい加減なその日暮らしを
送りながら、これからどう
するべきかを考えあぐねて
いた時、旦那様からお声を
かけて頂いたのです」


「パパから?」


「はい。旦那様は養成学校
から私のことをお聞きになり、
詳細はご存知なくご連絡
されてきました。

私は、当然お断りする
つもりでした。

しかしその時、旦那様が
『娘を救って欲しい』と
おっしゃり……その言葉に、
私の心が反応いたしました」


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